現状回復工事やリフォーム時の床材の選び方
賃貸の現状回復工事やリフォームで既存のフローリングがもうボロボロみたいな感じの時に床をどうしようか?
なんて考えます。
床をリフォームするにあたって、何の建材にしてどう仕上げたいのか?
何の建材を使って仕上げれば、物件の魅力が上がるのか?
などを考えて、決めていきます。
まず2LDKや3LDKなどのファミリータイプなのか?
ワンルームや1Kなどの単身者向きなのか?
物件は、市場からみて高級の部類なのか?
それとも家賃安さが売りなのか?
地域や物件や駅からの距離や平均的な入居期間なども考慮して考えます。
主な建材の種類としては、
1.クッションフロア(現場では、CFと呼ぶ)
これは、防水性の厚さ約1.8mmのシートを専用のボンドで着けて床に貼って仕上げます。
金額的には、一番安いです。
しかし、耐久性が低く退去するたびに貼替となる場合が多いです。
家具や物を置いた部分がへこみ、跡が残ります。
また、置いていた物の色移りします。
入居期間が長いファミリータイプに有効だと考えます。
施工は、フローリングを剥がさず上から貼るので、工期も短いです。
ただし、一度クッションフロアーを貼り込んだら、もう元のフローリングでは使用出来ません。剥がした跡がクッションフロアーの裏紙とボンドが剥がせないからです。
2.フロアタイル
これも専用ボンドでフローリングを剥がさず、上から貼っていきます。
様々なサイズのタイルを組み合わせて貼っていきます。
タイルと言っても陶器ではなく、塩ビです。厚さは約2.5mmです。
色や柄のバリエーションが豊富で、インテリアに合わせたコーディネートが楽しめます。
費用は、クッションフロアとフローリングの中間ぐらいです。
耐久性は高く、丈夫です。しかし、クッションフロアのような柔らかさやフローリングのような温か味に欠けます。
建材自体が持つ温度が冷たく、部屋や足が冬に冷えてきます。
夏は、ひんやり気持ちいい感じです。
耐久性が高いので、入居期間が短く、出入りが激しいワンルームや1Kなどの向いています。
クッションフロアーを退去のたびに貼替るならフロアタイルを貼り込んだ方が長い目で見て、安くなります。
3.フローリング
一番人気のあるフローリングです。
物件検索サイトやポータルサイトで部屋を検索する際にフローリングの部屋を指定して検索出来るぐらい人気があります。
最近の人気色は、薄く肌色に近い色です。濃い茶色とかは、古さを感じさせるようです。
これは、既存のフローリングを剥がし、木造のアパートや一戸建ては、新規のフローリングを専用ボンドを着けながら、フロア釘で打ち込んでいきます。
マンションでの施工の場合は、遮音性のフローリングを使用しますので、既存のフローリングを剥がして専用のボンドで接着のみです。
金額が一番掛かりますが、一番人気です。
ただ、キズが付きやすく補修なども費用が高いです。
水に弱く、水濡れで使用不能になったりもします。
フローリングを貼り換えたいけど、高い!どうしよう?
何とか安くするのに弊社は、部屋のチリを調べながらですが、既存のフローリングを剥がさず、上からもう一枚フローリングを貼っちゃいます。
剥がして廃棄する費用が安くなります。
その次に貼り換える際は、2重に貼られたフローリングを全部剥がさなきゃならないですけど。
2重に貼られたフローリングも実際に施工していって分かった事は、フローリングが2重になる事によって、遮音性や断熱性能が上がったと言う事。
フローリング施工は、家賃にも反映されます。全室フローリングだと家賃が他より高めでもお客様は納得しているようです。
一番無難な選択とも言えます。
工期は、長く、費用も高いです。耐久性は、選ぶフローリング建材に左右されます。値段の高いフローリングはデザイン性や光沢性が高く耐久性は低い。値段の安いフローリングは、デザイン性や光沢性が低いですが、耐久性は高いです。
安い価格のフローリングで2重貼りをお勧めする事が多いです。
ちなみにマンションは、防音性でフローローリングの裏にスポンジやラバーがくっついているので、2重貼りは出来ないです。素直に剥がして貼ってです。
4.パンチカーペット
高級賃貸マンションなどの使用します。
費用は高く、耐久性も低いです。でも、高級感と防音性と断熱性能は高いです。
見合う家賃の物件じゃないと、維持出来ません。汚れやシミが残るので、退去のたびにカーペットクリーニングか貼り換えになります。
小さな子供などが居たら、あっという間にボロボロです。
立地が高級地域で尚且つ、建物や設備も高級な時に有効です。
あんまりお勧めしていません。
床のリフォームだけでも、こんだけ考えます。
玄関土間は、どうする?
トイレ床は?
洗面所の床は?
居室の床は?
ロフトの床は?
など各部に合わせて考えます。
お勧めは、玄関土間はフロアタイル、トイレや洗面所などの水回りは、防水性の高いクッションフロアー、居室はフローリング
これが基本スタイルです。
賃貸不動産経営管理士
井上 達也